2025/03/17

結婚・出産意欲の要因分析

こんにちは!2025年3月に修士課程を修了する長田桃子です!

学部時代も含めた約3年間の研究室生活はビックリするほどあっと言う間で、
自分自身の人生の中でも凄く充実した時間を過ごせたとしみじみ思います(^^)
このような環境を設けてご指導してくださった市川先生、苦楽を共にした研究室のメンバー、そして大学院まで通うこと許してくれた両親には感謝の気持ちでいっぱいです。

今回は、私の修士研究を少しばかりご紹介したいと思います!
「第37回社会システム部会研究会」で発表した資料も掲載しているので、よろしければ最後までご覧くださいm(_ _)m

研究テーマ「未婚の就業者を対象とした結婚意欲および出産意欲の要因分析」

私は「未婚の就業者を対象とした結婚意欲および出産意欲の要因分析」をテーマに研究を行いました。

深刻な少子化問題を抱える日本政府が、人口維持のために掲げる目標「希望出生率1.8」を達成するためには、人々が結婚や出産に希望を抱けるような支援を講じる必要があり、そのためには結婚意欲と出産意欲に影響を与える要因を明らかにする必要があります。

そこで本研究では、20〜30代の未婚男女を対象とし、結婚および出産意欲に将来の展望や不安が与える影響をそれぞれ明らかにし、さらに、これらの意欲同士の関係性や関わる要因の違いを明らかにすることを目的としました。

「令和3年度人生100年時代における結婚・仕事・収入に関する調査」の個表データを用いて,ロジスティック回帰分析と決定木分析を行い,その分析結果から有効な少子化対策について検討しました。

分析結果

分析の結果、結婚意欲および出産意欲は男女ともに将来の展望や不安が関係していたが、そこには性年齢差がみられました。具体的には、女性では、家族や居住形態などのくらしの将来の理想像が関係すると示され、男性では、昇進意欲や仕事の理想像などの将来の仕事の理想像が関係すると示されました。また、年齢によって各要因の影響力は大きく変化することも示されました。

有効な少子化対策の検討

本研究の結果から、結婚意欲と出産意欲の向上を図る有効な少子化対策として、「性別に応じた心理的支援」「年齢に応じた支援」「交際の支援」の3つが有効であると考えます。

性別に応じた心理的支援に関して、具体的には、男性の場合は将来の仕事に関する心理的サポート、女性の場合は将来の生活環境に関する心理的サポートを行うことで結婚・出産意欲の向上に寄与すると考えます。

年齢に応じた支援に関しては、男性の場合、21.6〜38.5間の交際支援が有効であると考えます。21.6〜38.5歳で恋人がいると結婚意欲が高くなるといった結果から、この年代の交際率を引き上げる支援を行うことで、人々の結婚意欲の向上を促すと考えます。また、女性の場合、28.5歳までの年収で出産意欲が左右するといった結果から、20代の経済的支援が出産意欲の向上に寄与すると考えます。

交際の支援に関しては、「出会い→恋愛→結婚→出産→子育て」といった、日本のロマンティックラブ・イデオロギーの風習を考慮した、結婚前段階の「出会い」と「恋愛」を促す支援が有効であると考えます。本研究の結果から、恋人の有無は、男女ともに結婚および出産意欲に大きく関連していることが示されました。ライフスタイルやコミュニケーション方法が多様化した昨今では、出会いの機会が少なくなってきています。そこで、行政が主体となり、適齢期の人々に対して出会い機会を創出することで、日本の風習に則った有効な少子化対策が可能になると考えます。

最後に

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

研究室生活を通し、研究以外にもプロジェクトや課外活動に参加することができ、研究室問わず様々な場所で、沢山の素敵な方々に出会い、沢山の素敵な経験を得られ、自分自身とても成長できた3年間でした。
研究室で過ごした日々は、私にとってこれから先もずっと宝物です。

社会人になっても自分の成長を楽しみ続ける人でありたいです!

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