【第30回社会システム部会研究会】地域医療構想の適用による社会的影響の評価

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B4の田邉です。2022年8月28日から8月29日にかけて、第30回社会システム部会研究会に参加してきました。三浦海岸で学会の発表を行ってきました。三浦海岸で泊まったホテルで撮影した動画がこちらです!

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さて、私は、「地域医療構想の適用による社会的影響の評価」ということで、構想発表を行ってきました。

日本は、社会保障費の多くに医療費が割かれている現状があります。社会保障費が現状、少子高齢化によって高騰傾向にある中、医療費も伴って高騰している傾向にあります。

そこで、膨らみ続ける医療費を抑えるべく始まった政策が「地域医療構想」になります。地域医療構想では、病床数を削減することによって、医療費の削減や、地域の医療提供体制の効率化をすることができます。

ただ、病床数を削減させ過ぎてしまうと、医療提供体制を不安定にさせてしまう懸念があります。かといって、病床数を余剰に用意してしまうと、医師誘発需要仮説が発生してしまい、また病床を使ってしまいかねないといったジレンマがあります。

※医師誘発需要仮説とは、医者が患者よりも医療行為に対する治療の効果や費用などについて、情報を多く持っていることから、より手厚い治療を受けさせてしまうという仮説のことです。

そこで、私が明らかにする問いは、「ある地域が、医療費と地域医療構想の双方において、バランスの取れる道を歩むためにどのように地域医療構想を適用したら良いのか」としました。以上の問いを、データサイエンスとシミュレーションを用いて、明らかにしていこうと思っています。

これを明らかにすることによって、地域の医療提供体制をどのように再編したら良いのかといったあらすじを提示することができるだけでなく、病院の最適な配置計画を行うことができ、持続的な医療提供体制の再構築ができることが期待できます。

以上の発表を行い、他大学の先生や学生の方々からコメントをいただきました。

新しい視点の提示をいただけたり、自分でも気づけなかったことについてコメントを通して気づけたりといった非常に有益な学会発表であったと思います!

いただいたコメントをもとに、研究のブラッシュアップを行いたいと思います。

以上お読みいただきありがとうございました!

参考文献

安達太郎,日本の医師誘発需要:2段階モデルによる分析,經營學論集,50巻 3号 1998年12月20日,p100-122

著者プロフィール

田邉渉

芝浦工業大学
システム理工学部
環境システム学科 学部4年生