【農業情報学会2024年度年次大会】学会に参加してきました!

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こんにちは、修士2年の片山です。今回は、2024年5月25日〜26日に開催されました、農業情報学会2024年度年次大会への参加報告をします。

発表内容

私は「データに基づいた日本農業における担い手問題の構造化」という演題で口頭発表しました。修士研究全体の方針として、日本農業全体を概観した上で、政策立案における意思決定支援を行うための課題設定から課題解決を目論んでいます。その一部分をなす、「担い手問題の構造化」を、システマティックレビューとデータ分析によって行ったものが発表内容でした。

システマティックレビューとは、元来医療分野で多く行われていた手法で、既存の研究結果を適切に統合し、総合的な知見の創出や今後の適切な課題設定に活かすという目的があります。これを社会科学の分野でも応用することで、同様な目的を達成できると考えられます。

データ分析では、農業労働力の指標を先行研究を参考に定義したのち、2015年と2020年の農業センサスを用いて、その変化量を市区町村粒度でクラスタリング(農業地域区分)しました。その結果、6個のクラスターを確認し、特に先行研究における一般的畑作型の地域では後継者不足が加速していると推察できました。

今後は、これら2つの方法論を軸として、さらに詳細な分析へと昇華させるとともに、具体的な施策や政策への言及をエビデンスベースで進めたいと考えています。最終的に、日本農業(農林水産省)がいかに食料安全保障を達成しうるかを議論していく予定です。

著者プロフィール

片山 陽和太(かたやま ひなた)
2024年度 理工学研究科システム理工学専攻 修士2年
1999年9月生まれ青森県弘前市出身。紆余曲折を経て社会システム科学の世界に飛び込み毎日がエブリデイ。