2022/03/16

【第27回社会システム部会研究会】地域雇用創出政策が東京一極集中にもたらす影響分析

B4の柏村です。2022年3月6日から3月8日にかけて開催された、第27回社会システム部会研究会で「地域雇用創出政策が東京一極集中にもたらす影響分析」と題しまして研究発表を行いました。

本研究は、日本国内における就業者の人口移動を表現したモデルを作成し、モデル上で複数パターンの政策シナリオシミュレーションを行います。さらに、シミュレーションの結果から、現行の政策の問題点や、将来的に効果的な政策の立案を行いました。

シミュレーションモデルでは、就業者の意思決定に、労働生産性と過密による不利益を表現したマルチレベルモデルを用いました。また、日本全体の就業者数及び、就業者の就業継続率をマイクロシミュレーションの手法を用いて算出しています。この2種類のモデルを組み合わせ、本研究でのシミュレーションモデルとしています。

次いで、シミュレーションの結果に記載します。モデル上で政策シナリオシミュレーションでは、「地域雇用創出政策」において、政策が行われなかった場合、政策によって中小企業の雇用が創出された場合、大企業の雇用が創出皿た場合の3パターンのシナリオで実験しました。結果は、政策なし・中小企業の雇用創出の場合は、東京圏の人口推移は現実とほぼ同様の推移をしました。一方、で大企業の雇用を創出させた場合は東京圏の人口を減少させることができています。

最後に、今回の研究発表でいただいたフィードバックを踏まえ、今後の展望に関して記載します。質疑応答にて、本モデルは、アブストラクトなモデルであるため、実際の政策立案に用いるのは難しいのではないかというご指摘をいただきました。今後の課題として、モデルの解像度を高めるために、就業者エージェントの個人属性の追加や、職業別の労働生産性の定式化、地域性の追加などが挙げられます。

以上、お読みいただきありがとうございました。

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