2026/06/02

【第31回日本災害医学会総会・学術集会】道路被害を考慮した避難所の脆弱性評価を発表しました

みなさんこんにちは,市川研究室博士課程の藤田進太郎です.

2026年3月19日から21日にかけて,新潟市の朱鷺メッセで開催された第31回日本災害医学会総会・学術集会において「道路被害を考慮した避難所の脆弱性評価」と題して口頭発表を行いました.

今回の発表では,近年の災害で「災害関連死」が多く取り上げられていることや,能登半島地震の際にも道路被害によって支援班の避難所への到達が遅くなったことなどを背景として,道路被害による避難所への到達遅延を考慮した支援の優先度が高い避難所を明らかにするために,5つの指標を用いて避難所の脆弱性の評価を行いました.

本研究では学会会場でもある新潟市を対象とし,信濃川の特定の破堤点が決壊した際の浸水深を取得し,通行不可能の道路を特定しました.これにより,災害発生前後での災害拠点病院と救急告示病院から避難所までの到達時間の増加倍率が算出され,道路被害によってどの程度影響を受けるのかを明らかしました.
また,4次メッシュの人口を用いて,各避難所には何人の避難者が訪れることが想定されるか,高齢者率や乳幼児率はどの程度かを算出しました.

上記で算出された「災害拠点病院までの到達時間増加倍率」「救急告示病院までの到達時間増加倍率」「避難所包括人口」「避難所包括高齢化率」「避難所包括乳幼児率」の5つの指標を統合することで,個々の避難所の脆弱性スコアを算出しました.
このスコアを分析すると,浸水していない地域においても高いスコアを示す避難所があり,これらの避難所では浸水の影響で道路が通行できなくなったことにより,医療機関までの到達時間が伸びていることが明らかになりました.

災害時には被害が出ている避難所が注目されがちですが,実際には被害が出ていなくても支援が必要である避難所があります.今回の研究はそのような避難所を事前に把握し,発災前から支援を考えることができるひとつの判断材料になればと考えています.
今後は専門家の皆様の意見を伺いながら指標の修正,拡張に取り組むとともに,複数の地域での検証を通じて汎用性のある研究へと発展させていきます.

昨年も災害医学会において発表させていただきましたが,口頭発表は今回が初めてでした.多くの皆様に聴講いただき,とても緊張する環境ではありましたが,無事日頃の研究成果を発表することができました.
ご質問いただいた先生方,発表後にお声がけいただいた先生方,どうもありがとうございました.
2027年の災害医学会でも研究発表ができるよう,研究活動を頑張っていきたいと思います.

今回は以上となります.
ここまで読んでいただき,ありがとうございました.また次回お会いしましょう!

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