2026/06/07

ゲーム?ゲーミング?


こんにちは!市川研究室修士1年の田口が今回のブログを担当させていただきます.


市川研究室では社会課題を解決するためのアプローチとして,データサイエンス,シミュレーション,そしてゲーミングを三つの柱として取り組んでいます.


それぞれに面白さがありますが,今回は最近私が特に面白いと感じている「ゲーミング」という考え方について紹介したいと思います.


正直,研究室に入る前の私は,「ゲームなら結構知っている側だ」と思っていました.でも,研究室でボードゲームやゲーミングに触れてみると,自分が知っていたのは“ゲームを遊ぶこと”であって,“ゲームを使って考えること”ではなかったのだと気づきました.


そんな気づきについて,今回は書いてみようと思います.最後まで読んでいただけると嬉しいです!

ゲームをただ遊ぶだけ?

みなさんは,「ゲーム」と聞くと何を思い浮かべますか?

テレビゲーム,カードゲーム,ボードゲーム,アーケードゲーム,最近ならスマホゲームかもしれません.年代や経験によって色々あると思います.

私自身,小さいころはポケモンやデュエル・マスターズで遊び,最近でもスマホゲームを触っています.

だから,ゲームについてはそこそこ分かっていると思っていました.

そんな中で研究室に入り,ゼミや空き時間に研究室に置いてあるボードゲームを遊ぶようになりました.

最初は普通に楽しかったです.勝つこと,攻略すること,効率よく点を取ることばかり考えていました.

でも遊んでいるうちに少しずつ気になることが出てきました.なぜこのルールなのだろう,なぜ人によって見るところが違うのだろう,同じ条件のはずなのに明確な勝ち負けが生まれるのはなぜなのだろう.

気づくと,勝ち負けよりも,ゲームそのものの設計や,それによって生まれる人の意思決定に興味を持つようになっていました.

ゲームとゲーミングは違う!!

ここで出てくるのが「ゲーミング」という考え方です.普通に生活しているとゲームとの違いについて意識することはないと思います.私も最初は同じ意味だと思っていました.

ただ,研究室で扱うゲーミングは少し違った意味を持ちます.

寺野・小山(2015)の「ゲーミフィケーション:世界をゲームとしてデザインする」では,ゲームを単なる娯楽としてではなく,人や社会を理解するための仕組みとして捉える考え方が紹介されています.

ゲームが遊ぶ対象だとすると,ゲーミングはゲームを通して考え,体験し,理解する活動に近いイメージです.つまり,遊ぶことだけでなく,ルールや体験そのものを設計することも含まれます.

なぜ研究室でゲーミングを扱うのか

では,なぜ理系の研究室でこのような考え方を扱うのでしょうか.

それは,市川研究室が社会課題を対象としているからです.

社会課題を考えるとき,文章で説明されるだけでは実感しにくいことがあります.

誰が困るのか,人は何を基準に判断するのか,制度が変わると人の行動はどう変わるのか.

こうしたものを,ルールや役割,制約条件としてゲームに落とし込み,実際に体験してみる.すると,予想していなかった行動が生まれたり,人同士の駆け引きが起きたりします.

つまりゲーミングでは,勝つために遊ぶだけではなく,遊びながら現象を理解することに価値があり,それが社会を理解することと密接に結びついています.

市川研究室では,データサイエンスで現状を捉え,シミュレーションで変化を試し,ゲーミングで人の行動や意思決定を体験的に理解する,そんなアプローチで社会課題に向き合っています.

私自身もまだ学んでいる途中ですが,ゲームを作る側や観察する側に立つと,普段遊んでいたゲームの見え方も少し変わってきました.

もしこの記事を読んで,「ゲームってただ遊ぶだけじゃないんだ」と少しでも感じてもらえたら嬉しいです.

現在も,研究室では外部との共同研究の中でも,こうしたゲーミングの考え方を活用した取り組みが少しずつ動き始めています.詳細はまだお話しできない部分も多いのですが,「社会課題を理解するためにゲームを使う」だけではなく,「実際にゲームそのものを設計する」という方向にも広がっています.

私自身もその活動に関わる予定なので,今後紹介できるタイミングが来たら,研究室でどのようなゲーミングやボードゲームづくりに取り組んでいるのかもお伝えできればと思います.

最後まで読んでいただき,ありがとうございました!

参考文献

寺野 隆雄, 小山 友介, ゲーミフィケーション:世界をゲームとしてデザインする, 計測と制御, 2015, 54 巻, 7 号, p. 494-500, 公開日 2015/07/24, Online ISSN 1883-8170, Print ISSN 0453-4662, https://doi.org/10.11499/sicejl.54.494, https://www.jstage.jst.go.jp/article/sicejl/54/7/54_494/_article/-char/ja




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