2023/10/22

災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)in 沖縄に行ってきました!

皆さん、こんにちは!

芝浦工業大学・市川研究室の学部4年、藤田進太郎です。

2023年10月19日に開催された、災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の沖縄会場に行ってきました。我々、市川研究室の学生は、今後作成する災害訓練のシナリオ作成のために、現在行われている訓練の状況を把握することを目的として、見学させていただきました。今回はその様子をお伝えいたします!

DHEATとは?

DHEATとは、Disaster Health Emergency Assistance Teamの略で、日本語では災害時危機管理支援チームと呼ばれる、災害時に保健所や保健医療福祉調整本部の応援をするチームです。DHEATは平成30年3月に制度化された新しい組織となっています。メンバーは主に保健所の職員(医師、看護師等)で構成されます。

今回の研修の概要

今回は、保健所災害対応研修(災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)基礎編)ということで、災害発災直後の対応、DHEAT受け入れの仕方、避難所にどのように職員を派遣するのかの検討などの訓練が行われました。

災害発災直後の対応に関する訓練では、ある県で災害が発生したことを想定し、保健所内での情報整理、応援要請を行いました。次々に入ってくる被害状況をクロノロと呼ばれるものに整理し、保健所内で情報共有ができるようにしていました。クロノロは、災害時に情報をまとめ、共有する手段として、広く使われています。ここに、何時に誰から誰へどのような情報が必要な情報が、わかりやすく明示されているかが、災害時の組織運営の鍵となっていきます。初めての場合は、クロノロを書くことがとても難しいため、このような訓練の際に、書く練習をしておくことが大切になってきます。

今回はこのようなクロノロが作成されました。皆さんが映画などで見るようなクロノロが実際の訓練現場でも作成されています。

その後は、DHEATの受け入れる際のシチュエーションを想定した訓練が行われました。

DHEATでは、現場に入るときに、「HeLP-SCREAM」と呼ばれるものを実施することは推奨されています。これは He: Hello, L:Location, P:Part, S:Safety, C:Communication, R:Report, E:Equipment, A:Assesmentの頭文字がとられています。今回の研修では、これらを行えるように、ロールプレイ方式で、受け入れ側、派遣側の会話を実践していました。災害時には、現場にいる全員が、余裕なく活動しています。そのため、平時から、現場に入るときに行うことを体得しておくことが大切になります。

これらの訓練の他にも、状況に応じた要請ルートの検討、支援チームの派遣調整の決め方などの研修が行われました。

今回の訓練を通しての学び

地震などは、突然やってくる災害であるため、平時からいつきても対応できるように訓練をすることが求められます。今回の訓練では、保健所における発災直後の対応を想定した訓練が行われていました。このような訓練は労力も求められ、とても大変な訓練ですが、実災害時に急に対応できるようにするためには、定期的に開催することが大切だと感じました。

今回の我々の目的は、災害訓練キットを作成するための現状把握であり、保健所の災害時の動きを実際に見ることができたのは大変貴重な経験にもなりました。前述でも紹介したHeLP-SCREAMやクロノロの作成等は訓練現場を見ないと学ぶことができないものでした。今回得た経験をキットの作成に活用するとともに、訓練が行われる地域の地理条件や現状に即した情報や、発災1日目だけでなく、2日目以降の対応など、今回の訓練では取り入れられていないことも取り入れ、より災害発生時に近い状況で訓練ができる環境を提供していけるように作成していきます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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