2023/11/20
サンタクロースを信じていますか?

こんにちは!
もうすぐクリスマスですね!
毎年サンタクロースにほしいものをお手紙に書き、ベランダに吊るしていました。さらに、小さかった頃はサンタクロースからお手紙をもらったり、サンタクロースのために作ったお菓子を枕元に置いたりしていました。懐かしいですね、、。
思い出に浸っていたところ、偶然サンタクロースの文献を見つけました!市川研究室の学生は論文を読む習慣があります。自分の研究に関するものだけではなく、幅広い分野の論文を読むことを心がけるようにしています。学部生は週に2本以上、院生は週に3本以上の論文を読み、週報に要約を記載し、金曜日のゼミで共有します。そこで今回は、自分の研究から少し離れて、クリスマスにまつわる興味深い論文を紹介します。富田・牧野(2022)の「幼児期におけるサンタクロースの真正性の認識と文脈情報の関連」です。
子どもたちが「信じる」サンタクロースは2種類!?
この論文で関連研究としてあげられている「子どもがいつまでサンタクロースを信じていたのか」という研究は、サンタクロースが「実在」から「非実在」になる時期、すなわちサンタクロースを信じなくなるのがいつかを明らかにするものです。このようなサンタクロースを信じる概念の変化は、「現実の世界に実在するのか」という「実在性」と「出会った実物は本物か」という「真正性」の2つの側面が挙げられます。
「実在性」は、夜間に子どもたちが寝静まったころに枕元にプレゼントを置いてくれるサンタクロースが実在すると認識することを指します。一方で、「真正性」は、昼間にデパートや商店街にいて直接会ったり話したり踊ったりできるサンタクロースが本物ではないと認識することです。
いつ頃までサンタクロースを信じていましたか?
昼間のサンタクロースが存在している理由は、大人にとってみれば「実在しない」から本物になりすましていると解釈できるが、子どもは「実在している」と信じているため、昼間のサンタクロースは本物のサンタクロースが掲げた理念に共感し協力していると解釈します。この昼間でも出会うことのできる現実的能力を発揮するサンタクロースと、夜間にしか出会うことのできない超自然的能力を発揮するサンタクロースとを区別し始めるのは、5,6歳頃です。この後、夜間のサンタクロースこそより本物らしいと判断するようになる段階へと発達的に変化します。
6歳以上になると、空想上の存在を人間と区別して概念化できるようになります。ただ、区別をする際に超能力を発揮する人間はいないが、超能力を発揮するサンタクロースは実存するという概念の再構築化を図ります。
最終的にサンタクロースが実存しないと気づくのは7~8歳頃で、「サンタクロースは本当にいると信じる」派は、多数派から少数派へと転向することが分かっています。よって、サンタクロースが発揮する超自然的能力を現実にありえない力として理解するようになる一方で、能力を発揮する脅威的で神秘的な夜間のサンタクロースを空想上の存在として「信じる」ようになります。
最終的にサンタクロースが実存しないと気づくのは7~8歳頃で、「サンタクロースは本当にいると信じる」派は、多数派から少数派へと転向することが分かっています。よって、サンタクロースが発揮する超自然的能力を現実にありえない力として理解するようになる一方で、能力を発揮する脅威的で神秘的な夜間のサンタクロースを空想上の存在として「信じる」ようになります。
感想とまとめ
サンタクロースを信じるかと聞かれたときに、夜間のサンタクロースを想像し思い出すことが多かったのですが、昼間のサンタクロースを無意識に偽物だと認識していたことに気づかされました。昼間のサンタクロースが偽物だと認識する過程は、空想上の存在という概念の誕生と関わっていることがわかったため。他の空想上の生き物も同じ認識過程を辿るのか気になりました。
市川研究室はシステム科学ゼミや科学哲学ゼミを行っており、科学の根拠である実験を疑ったり実在に関する哲学の知識に触れたりする機会があります。X(旧Twitter)でもゼミの様子だけではなく日常の風景も発信をしているので、是非フォローしてください!
参考文献
富田昌平.牧野恭子.2022.”幼児期におけるサンタクロースの真正性の認識と文脈情報の関連”心理科学 第43巻第2号. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jraps/43/2/43_65/_pdf/-char/ja
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