2022/05/11
【最適化】グループ分けを最適化する!①制約条件の整理

このシリーズでは全4回にわたって、最適化手法を用いた研究室でのゼミグループ分けプログラム作成の軌跡をたどります。最適化問題を基礎から応用まで実例ベースで扱うので、初学者から実践的な利用事例を求める専門家まで、様々な方に読んでいただけます。
まず第1回(今回)では、最適化問題の定義を紹介し、実際のグループ分けにおける制約条件を整理します。第2回で最適化手法の紹介を行い、第3回で実際にプログラムを実行し、第4回でSlackでの結果送信を自動化するところまでそれぞれ解説します。
グループ分けという最適化問題
一般に、最適化問題とは、与えられた制約条件の下で目的関数の値を最小(もしくは最大)にする解を求める問題です。例えば、セールスマンがn個の都市を1度ずつ訪問し出発点に戻るときの、総移動距離を最小にする巡回路を求める問題(巡回セールスマン問題)は有名です。以下は巡回セールスマン問題の総当たり解法イメージです。

市川研究室では、26名のメンバーが5つのグループに分かれて、毎週月曜日に朝礼・毎週金曜日に終礼というものを行っています。朝礼ではその1週間でどのようなタスクをこなすのか共有し、終礼ではその1週間でどのような進捗があったのか共有します。そのほかにもゼミなどでグループ分けの機会があります。

ここで、高質な研究室活動に貢献するための仕組みのひとつとして、メンバー全員が高めあえるグループ分けを実施するわけです。つまりグループ分けを最適化問題ととらえ、これに対応する最適なグループ解を出すのです。今回は、このときの制約条件を整理していきます。
制約条件の整理
まずは、グループ分けに必須の条件を整理していきます。
- 1人を1チームに割り当てる
- 各チームの人数を均一にする
「当たり前じゃないか」と思われるかもしれませんが、これも大事な条件です。グループを掛け持ちすることや、チームの人数にばらつきが出ることを防がなくてはなりません。
さらに、よりよいグループ分けに向けて条件を追加していきます。
- 各チームでメンバーのグループ1になった回数の合計を平坦にする
- 各チームでメンバーのリーダーになった回数の合計を平坦にする
- 各チームに各学年1名以上割り当てる
- 個人間で同じグループになった回数を平均化する
今度は「グループ1になった回数が同じになってどうするんだ」と感じてもらえたでしょうか。ゼミでは、市川先生がグループ1を中心にコメントをしてくださるので、平等にグループ1に振り分けられる必要があるのです。リーダーもみなが平等に経験し、チーム内では学年が混在し、いつもとは違う人と意見を交わしあうこともまた重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は研究室のグループ分けを最適化問題とみて、その制約条件を6つにまとめました。次回は、これを解く方法について綴っていきます。そちらもご覧ください!
著者プロフィール
片山 陽和太
2022年 システム理工学部環境システム学科 学部4年
1999年9月生まれ青森県弘前市出身。紆余曲折を経て社会科学の世界に飛び込み毎日がエブリデイ。
関連記事はこちら
カテゴリー一覧
タグ一覧
- #Arduino #RasPi #MQTT /
- D24H /
- DPN /
- GAS /
- Google App Script /
- gPBL /
- ICCEPM /
- ICMEM /
- SIGNATE /
- SIP /
- SSI /
- アドベントカレンダー /
- ゲーミング /
- コラム /
- システム工学 /
- システム工学的アプローチ /
- ゼミ /
- ダッシュボード /
- デザイン思考 /
- 国際交流 /
- 国際学会 /
- 廃棄物資源循環学会 /
- 情報処理学会 /
- 授業 /
- 探求学習 /
- 新潟県妙高市 /
- 日本公衆衛生学会 /
- 日本医療薬学会 /
- 日本産科婦人科学会 /
- 栃木県那須町 /
- 災害シミュレータ /
- 社会システム科学研究会 /
- 社会システム部会研究会 /
- 福島県大熊町 /
- 計測自動制御学会 /
- 訓練・研修 /
- 課題解決方法 /
- 農業情報学会 /
- 長崎県長与町 /